国民国家以前の国家 Nation before Nation-State

国家。国。くに。

この国の意識がいつ、どこで生まれたのか、というのは大きななぞであります。

おそらく、現在の名前でいうエジプト、シリア、フェニキアなどであろうという想像は出来ますが、それがどのように受け継がれたのかを言うことはむずかしい。

ただ、遊牧系の民の影響である、というのはいえそうです。

歴史的には、13世紀はじめ。
モンゴルが、まずは南部、そして中央アジア、それから現在でいう東欧へゆっくりと、そして場合によっては快速で軍を展開させます。

この際に、イスラーム側も、その後ヨーロッパと呼ばれることになる地域も、モンゴルの力を恐れました。神聖ローマ、法王、デリー・スルタン、ルス(その後のロシア)。モンゴルをネストリウス波のキリスト教と信じ、同盟を期待した聖ルイ王。

たしかに、ベネディクト・アンダーソンが20年以上前に主張したように、国民国家の機制は、1800年ごろにはじまるのですが、しかし「均質な国民」を前提としない国家の直接の起源は、ここ、つまり13世紀に置いていいように思います。

国家nationというと、どうしても現在のタイプの国民=国家型の、もう少しいえば生-権力型の国家を想像していまいます。
しかしそれは違う。

13世紀の国レベルでは、税を払ってさえいれば統制はルースであるのが通常であったし、また国の境界も不分明なものであった。

現在から過去を推し量ると大きな間違いを犯す。

さらにいうと、杉山正明さんが、13世紀をグローバルな時代と呼ぶとき、それは1990年ごろからのグローバル化とは自ずと違うことになるだろう。というのもグローバル化の背景にある国家像が異なるのだから。

たとえば『集史』は、「グローバル史」と呼んでいいのだろうか?という疑問が立ち上がります。

とはいえ、この「世界の歴史」シリーズ9(中央公論社)は、カラーであり図版もひときわ多い。ここ数回しているモンゴルの話は、この本から入るのもいいかもしれません。こうなると『集史』が読みたくなりますね。

世界の歴史 (9)

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