2008年上期、個人的ベスト Best Works fromQ1 to Q2 in 2008

【映画】
次点 : 『フランドル』。見落としている作品が多いので、コメントできません。申し訳ない~


【小説】

マリオ・バルガス=ジョサ、『楽園への道』、田村さと子訳、河出書房新社、2008
ジョサの作品としてはベストではないけれど、(『緑の道』や、同じ手法では『ラ・カテドラルでの対話』のほうがよほど先鋭的)、ストーリーがクロスし、近代という時代を立体的に造型してゆくところは彼ならでは。


【評論】
エリザベート・ルディネスコ、『いまなぜ精神分析なのか』、洛北出版、2008
心脳問題も考えつつ、精神分析の必要性が明確になります。関係ないですが、京都の出版社が最近元気ですね。


【経済書】

ロバート・ライシュ、『暴走する資本主義』、雨宮寛、今井章子訳、東洋経済新報社、2008
久しぶりに時代を正確に描写し、さらに解決方法まで提示した本に出会いました。ライシュの『ワーク・オブ・ネイションズ』に次ぐ重要本でしょう。もともと自分の思考と近いところにあったことも加わり、とても刺激を受けました。


【演劇】

『春琴』(世田谷パブリックシアター)
自文化のことは外国人のほうがよくわかっている好例か。深津絵理の演技も忘れがたい。


【ミュージカル】

『タンゲーラ』(Bunkamura)
とっても後を引く作品。音楽のみで台詞なし、幕間なし。


【オペラ】

該当なし。


【ライヴ】
該当なし。想像の範囲内のものばかりでした。


【ダンス】

同じくなし。
次点、パリ国立バレエ団、『ル・パルク』(プレルジョカージュ演出)

【CD】

ポップス:
宇多田ヒカル、『HEART STATION』、EMI
いつになく気さくで、率直。コード進行に、てらいがないです。

R&B:
アンジェラ・ジョンソン『ア・ウーマンズ・タッチ vol.1』、Purpose
よくこれだけのメンバーを集めて、しかも自分の世界を構想し、R&Bの王道でもある。 


クラシック:
マーラー、『交響曲10番』(クック版)、ダニエル・ハーディング指揮、WPO、ユニバーサル
はじめてこの曲が腑に落ちました。いままでは第一楽章(アダージョ)以降がわかりにくかったです。これには賛否あるでしょう。

ジャズ:
ジェフ・ネーヴ、『ソウル・イン・ピクチャーズ』、ユニバーサル
ピアノ・トリオ。実験をやりすぎず、しかし愉しませてくれます。

ワールド:
フランチェスカ・ソルティーノ、『ザ・ミュージック・アイ・プレイ』、FARCD
イタリアの、ジャズ・クロスオーバー。音のクオリティーが高いです。ミラノ録音に妙に納得してしまいました。英語ではなくイタリア語で歌って欲しかったですね。


ちなみに、
昨年200年上期のベストはこちら↓ お手数です。
http://extra.at.webry.info/200707/article_1.html


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この記事へのコメント

天然です。
2008年07月06日 12:39
昨年のベストの感想になってしまいますが、
「硫黄島からの手紙」は観る前、これは日本人が撮るべき題材であり、アメリカ人監督に先を越されたのは恥だと息巻いてました。ですが、観終わった時、やはり日本人には撮れなかったという思いに捉われましたね。それを痛感したのは、ラスト近く、総攻撃を前にした栗林中将が「天皇陛下、万歳」と叫ぶシーンでですが、日本人が栗林を描くとすると、おそらく、2つのパターンしかなかっただろうと思います。
1つは、合理的な戦法でアメリカ軍に大打撃を与えた英雄として描くパターン。この場合、栗林は胸を張って堂々と「万歳」と叫ぶと思います。もう1つは、不本意にも無謀な戦闘を強いられた犠牲者として描くパターンで、この演出による栗林は、万歳をしないか、避けることが許されない儀礼として不承不承にするか、どちらかだろうと感じました。ですがイーストウッドの描く栗林は、そのどちらでもなく、低く押し殺した声で万斛の思いを込めて「天皇陛下、万歳」と叫ぶ。そこに戦争よりもさらに巨大な歴史の歯車を感じさせられました。日本人監督に、この偉大なシーンは決して演出できなかったと思います。
天然です。
2008年07月06日 12:39
ところで、私のベストはコンビニ問題です「深夜営業」と「ロスチャージ問題」。深夜営業を無くす事はビジネスモデルとしてかなりキツイ事になり、半分の店は淘汰されると思います。もう一つの「ロスチャージ」問題。これはまだ最高裁から高裁へ差し戻しで係争中ですが、コンビニは売れ残った商品からもロイヤリティを取っていたという問題で、コンビニ側は未だに否定してますが、最高裁では事実認定されてます。つまりコンビニも本部と加盟店では立場が異なり、一枚岩にはなれないという事です。両方が認められれば、コンビニは全てなくなる可能性が高いと思います。消費者金融のグレーゾーン金利より、ダメージは大きい。その代わり、コンビニが淘汰されれば、大資本への利益一極集中は無くなり、個人商店の復活、個人の起業の可能性が大きくなる、地方の活性化にもなる。どちらが良いものか、世論等の推移を教務深く観ていきたいと思っています。
田中 公一朗
2008年07月10日 23:52
いまのところ、昭和天皇に関するサイコウの映画は、ソクーロフが撮っていますが、それと同じことかもしれません。

愛国的になるか、反省モードになるか、「自文化」に関しては、二択になりがちなんでしょうね。
イーストウッドは、アメリカ軍に関しても突き放して撮っていますね。

イヤなものは消せ。死刑にしろ、コンビニ問題にせよ、日雇い労働にせよ、どれも似ている気がします。この考え方が、時代の暗澹とした雰囲気を生んでいる。いまは伸び伸びした時代ではありません。

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