【書評】『人類はどこへ行くか』(興亡の世界史20巻)

帯に、本当の「世界史」が生まれつつあるけれど、それを実感させてくれる本。
自分の場合、日本史、世界史をやっていました。受験科目であるというだけでなく、教えていたこともあります。いかんですよね、専門でもないのに。某有名資格試験の学校で大学生向け。

それはいいんです。「日本」の場合、中国の歴史観を引き継いだ形の東洋史と、輸入学問である西洋史が合体し「世界史」になっています。国史と戦前に呼ばれたものがいまは日本史。これは高校のいまの課程や公務員試験にも残っています。

しかし、実質世界史はヨーロッパ史が基礎で、日本史は「世界史」がわからないと理解しにくい。

さて前置きが長くなりましたが、この本は、そういう部分をいったんバラして、構築しなおすプロセスがすでに見えているのです。

人類はどこへ行くのか (興亡の世界史)
講談社
杉山 正明


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とくに第ニ章の、人口動態や移動の部分(大塚柳太郎さん)は、人類がいかに移動をし続けていたかを簡潔ながら納得させてくれます。ショッキングな地図!もあります。

第三章(応地利明さん)は、「出アフリカ」から、インド洋の重要性を、ひととおり見えるように書いていらっしゃる。これは驚くべき知識量と統合力でしょう。第五章のアフリカ史の部分は、いま急速に研究が進んでいる部分。松田泰二さんがアフリカ史の歪みを元に戻そうとしています。
それ以外の論文も充実。決して専門的になりすぎてはいません。

巻末には、より専門的な文献表があり、また月報(挟まっているパンフ)には関連DVDや、関連書籍が掲載されています。


いま歴史学をやるのであれば、数言語を読めるのは必須でしょうが、それにプラスして充分な方法論と広い現代世界への視野が必要だということもわかります。とくにいま、21世紀の前半1/3の時代はそうなのでしょう。


いろいろと希望が持てる本です。先を見通す指針が構築されるという意味です。本書の月報にも紹介がある、アタリの『21世紀の歴史』にも関連します。このアタリの本売れているみたいですが、それは売れるでしょう。ここでも一部紹介済みです。

自分としては、アフリカ史をもっと読んでみたい。けっして「ダーク」なものではないのですね。
また人口動態の部分。ここ10万年の人類の変移や移動の部分です。


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