【書評】宮台 真司、『日本の難点』
このところ書評が続きます。
基本的に個人的に「いいな」と判断した本のみを「書評」としています。専門書は省いています。
さて、この『日本の難点』ですが、言葉が難解です。社会学の知見を解説なく使っているので、その知識がないと読むのはかなり厳しいのではないか。
しかし、内容は、予期理論やルーマンのシステム理論を駆使。「日本地域」にある、多くの問題に
宮台さん流に切り込んでいきます。
雇用、対米関係、秋葉原事件、少子化、自殺、バブル、マスメディアの今後、防衛政策、いじめ、クレイマー対策、と多岐にわたります。
自分と比較的近い立場ではあります。
自己決定権+再帰性の部分がもっとも重要なのでしょう。そこでの情報の非対称性に関しては
どう考えてらっしゃるのかしら?
たしかに現代は再帰性の時代なのですが、決定と情報の問題が抜けてしまっては、
再帰的テーマを扱えないのでは、と思います。
この本を踏み台に使わせていただければ、自分でもこういう「全体的」な政策提案はできそうです。
本書は今日(6/14日付)の日経新聞書評にもあり。
ここから、ルーマンやギデンズを読むのは私的にはおすすめします。ここまでアカデミックな内容なら、
参考文献を挙げていただいたほうがいいのでは。
〓気がついた誤植(5刷)
p.167、2行め
J・ウォーカー・ブッシュ × → G・ウォーカー・ブッシュ ○
瑣末なことですが念のため。
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