5時間で楽しむ六本木のアート 5 hours Art in Roppongi

まずいちばんのおすすめは:『アルベルト・カンポ・バエザ 光の建築』(ギャラリー間)
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex090625/index.htm

彼Alberto Campo Baezaの個別の設計作品のスケッチが、トランプのカード状に壁からつるされています。一枚一枚がとても興味深いものですが、全体として「樹」になるようにも並んでいます。

模型もいくつかあり、街中にモダンな建築を建てるときにどうするかのヒントがあります。隠すのですね。


とくに素晴らしいのはインタヴュー。7、8分の短いものですが、これだけ建築と人の関係の「本質」を簡潔に語ることはほとんどできないでしょう。フランシス・ベーコン(画家のほう)の明晰なインタヴューを思い出させます。


たとえば、建築は重力との関係であり、そのなかで光をどう取り入れるか、いれないか、そこに絞られる。その条件のなかで、どう「歌う建築」を作るかであるというのです。ミース・ファン・デル・ローエが、「Less is More」と言ったのなら、自分は「Light is More」というのだとバエザ。

「光を扱うには、それを石のように扱わなければならない」(バエザ)

ニュートンが光と重力を扱っていたことで、自分はニュートンのような仕事をしているというのです。これを期に出た本もよくできています。

ALBERTO CAMPO BAEZA Idea, Light and Gravity アルベルト・カンポ・バエザ 光の建築
TOTO出版
アルベルト・カンポ・バエザ


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ミッドタウンから、小さな橋を渡ると21_21 DESIGN SIGHTで、『骨』展。
http://www.2121designsight.jp/

これはモノの骨格に焦点(光)を当てている、山中俊治さんのプロデュース展。

骨格というのは内部構造なのですね。これを見ながら、可視的な構造と不可視の構造のことを考えていました。

どちらかというと自分は社会の法や政治、経済構造、その「骨」に興味があるのですが、それは透明だからなのです。だから「わかりにくい」部分もある。(見えない骨)。

そういう意味で、日産フェアレディーZの車体からはじまる展示は「見える」ものから、構成を考えてみている。

自分なら、こうするかもしれません。天井から木製の柱を立てて、展示モノのタイトルを提示していましたが、そこをメタリックにするでしょう。お金はかかるけれど。
というのは全体に、構造というのはマシナリーなものになるからです。それから、慶應のSFCの学生との製作だろうぐにゃぐにゃ動くもの。あの下のほうも「骨」なので、舞台裏も見せますね。


さらにこの安藤忠雄さんと日建の建築そのものの骨も見たかったですね。スケッチやパース。
ちなみに、前掲のパエザとやっていることはとっても似ているので、共同でやってもよかった気もします。



すぐ近くの国立新美術館の企画展。
松本陽子さん+野口理佳さんの『光』展。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/hikari.html

アクリル絵画という形式でこれほど強度や説得力、圧倒的な存在感がまだ可能なのですね!
松本さんは、「生命体について」という連作をはじめ、緑や白、ピンクを中心にした抽象画を描かれています。ジャクソン・ポロックのような外見と、人間を描いていないフランシス・ベーコンとでも呼んだらいいのでしょうか。

自然光が入る展示室なので、色味がとくによく出ます。画は、一枚が3~5mくらいの大きさのものが普通です。


またもうひとりの野口理佳さんは、写真の原点をさぐっているようです。現代の野島康三、という感じすらします。たとえば、焦点の作り方。意図的にフォーカスを緩くしているのです。
また、「水をつかむ」という、パワー・シャベルが海の泥をすくいあげるシリーズは、ガンダム的でもあり力感にあふれています。


アン・ウェイウェイ、『何に因って』(森美術館)
http://www.mori.art.museum/contents/aiweiwei/index.html

この人も設計や建築物の建造過程を写真にしています(北京オリンピックの「鳥の巣」(コルハース)の写真が入り口いっぱいに貼り付けられています)。人が基本的にかかわる構成、構造、大きさを確認してゆきます。
自分はこれを最後に見たので、予想を大きく外れるものはなく、むしろ「やっぱりここでも」と思ってしまいました。単体でこれを見たら面白いでしょう。


自分が見たというか体験したと呼ぶほうが正確なミュージアムは、構造や基本的な要素の再確認をしようとしているのでしょう。

サイエンスの激変を経過しているなか、もういちど原理主義ではなく、原点を見直す。こういう動きなのかもしれません。

この4つはどれもおすすめであります。


(なお、森美術館や国立新美術館は、チケットを見せると200円引きになります)。




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