ビヨンセ、ライヴレポート、2009,"I am..."ツアー OpenSource Beyonce

本日10月27日付けの日経新聞夕刊に、ビヨンセのツアー評が出ています。渋谷陽一さんが書いていらっしゃる。スペースが小さいので仕方がないと思いますが、肝心な部分の記載がないので、補っておきます。


まずライヴ自体は、ビヨンセが背後からの強い照明で浮かび上がる演出からはじまります。

そう。その前に、ステージ構成の説明を。

上手(向かって右)の上からパーカッション、ドラム、ブラスが3人。センターに12段ほどの透明な階段。下手には、上からキーボード2台にドラム(ということはツインドラム、ツインキーボード)。
ベースとギターはその前に位置。

照明は、スポットが中央に4本、サイドに2本の計6本。スクリーンは、ちょっと自分は見た経験がないほどの緻密で巨大なスクリーン(25mプールくらいの大きさ)。ステージ横に小さいなものが左右にそれぞれ1枚。

それから花道がステージセンターから伸びている。

以上がステージ構成。



とにかくコンセプトがはっきりしたステージです。

①自分(Beyonce)は、サイボーグであり、それも厳冬期の山の中に住む豹である。
②そんな自分は、マイケル・ジャクソンにきわめて影響を受けている。
③自分の過去と、アメリカの歴史は重なっている。

この3ポイントからライヴが出来上がっています。


いろいろなヒット曲が、例のように途轍もない声量で歌われるのですが、それは経験者なら予想の範囲です。しかしそれだけでは終わらなかったのがこのさいたまスーパーアリーナでのライヴ(ちなみに2日めでした)。

①については上記のスクリーンにCGで、自分の身体がサイボーグ化してゆく部分と、豹と戯れているなかで、自分の豹になる部分(中島敦?)が出てきます。ステージ中ごろ。

②に関しては、途中で、いつものベーシストが「Beat It」ともう一曲を弾きます。ドラムとの絡み。しかしビヨンセは歌いません。またステージ最後では、ボルサリーノをかぶったマイケルの横顔の画像が大映しになります。さらにそこに、ビヨンセの子ども時代のマイケルについての荒い映像入ります。マイケル・ジャクソンの曲は歌えないんだろうと推察できます。

③今回の特徴なのですが、子どものころのヴィデオ映像を多用しています。その前にアメリカのバス乗車拒否事件とワシントン大行進の画像がかなり長く映ります。それが現在のオバマ大統領夫妻の映像に変わってゆきます。

この画像につきものの、キング牧師についてはなぜか触れません。(なぜでしょうか?) この画像では後半にあります。



特筆すべきはビヨンセのさまざまなモットー。忍耐、ユーモアをはじめ、抽象的な言葉が赤い文字で表記されてゆく。説教されている印象はありません。


それから照明の工夫も素晴らしかった。背景がすべて真っ赤になり、バンドが背景としてすべて黒くなるところは、出色。DJ用機材のCGなどもとってもクリア。


そういえば、という以上に重要な、youtubeとのからみもありました。

ありがちな例でいえば、彼女の「あの」曲、"Single ladies"のダンスがyoutubeにupされていれば「著作権者の申し立てにより・・・」といって削除されるのが通常。あるいはレコード会社が画像を流すか。


ところがビヨンセは、むしろ「踊ってみた」画像を進んで流します。瞬間的にyoutubeのロゴも出ました。
http://www.youtube.com/watch?v=-VJFWH8vxcg (埋め込めませんのでクリックしてください!)
これが元ネタ。

この関連画像もどんどん流されました。大人や子ども、男女かかわらず。うまい下手も関係なく。これこそステージ上のオープンソース。 CNNの有名イケメンキャスター、アンダソン・クーパーAnderson Cooperの画像もあり、彼の

「このダンス、簡単に見えるけど、やってみると難しいのかな、えへへ」

というフレーズの部分が使われていました。


それからバンドメンバーに誕生日の人がいたようで、今日誕生日の人のために歌ったり、トークがあったり。本人がいじられてました。


そしてエンディングは、I am,,,Beyonceとそれまでさんざんコールさせておきながら、I am...Yoursと、オープンな自分というのをしっかり見せ、黒幕が引かれて終わります。これを涙しないでどうやってみることができるでしょう!




以下、参考まで:

http://ac360.blogs.cnn.com/
Anderson Cooperの番組AC360°のblog。

http://column.madamefigaro.jp/culture/music-sketch/post-350.html
雑誌、「Figaro」の伊藤なつみさんの記事。細かい曲目に関してはこちらを見ていただいたほうがいいですね。本当に衣装のことも書きたいところ。マリエ(婚礼衣装)も着てましたから。

http://extra.at.webry.info/200704/article_4.html
前回来日時の田中のblog上の記事。

前回よりうんと政治色が出されていました。

この後、ソウルでのライヴがあり、その後に予定されていたマレーシアでのコンサートはキャンセルされました(ヘラルド・トリビューン紙による)。イスラーム保守派が、あれはセクシーすぎて公共の場では適さないとの判断。

"I am.." もし買うならばDVD付きを超おすすめ。.




いわゆるモンゴメリー・バス・ボイコットの画像も流れました。とくにバスの映像。




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この記事へのコメント

a sophian
2009年10月30日 05:56
この記事に関するコメントではないことをお許しください。
夏前に上智大学の『メディ対』で先生の講義を受けた者です。

『アフォリズム、その32』は非常に考えさせられました。「人間の身体、人体は、自然界の中でその感性が鍛えられるような構造デザインになっている。」という言葉は案外盲点になっているものなのかもしれません。
ホテル関連の記事も愉快でしたし、007の評でボーンシリーズに言及している箇所もしっくりきました。
これからも楽しく読ませていただきます。
田中公一朗
2009年10月30日 12:49
ああ、どうもありがとうございます。地味にやっているのですが、このようにコメントを頂くと本当に嬉しいですw

『メデ対』、また11月に伺います。マイケル・ジャクソンの予定。まいこー。よろしく!!

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