グラナダ・パフォーミング・アーツ・センター Granada and Kengo Kuma

建築家はいつも生物から想像力を得ていた。言葉を変えよう。生物を複雑で入り組んだものと考えるか、シンプルなものと考えるか、という違いはあっても、樹木を筆頭にしつつ生き物をどう捕らえるかと密接に関わってきた。ゴシック建築も、白鳳の建築も、ライトも同様だ。メタボリズムなどは、生物をどう考えるかそのものを建築のコンセプトにしたといえる。

隈研吾によるグラナダパフォーミング・アーツセンターもその流れにある。
画像


主にオペラに使われる予定の建築は、ハニカム構造をそのまま客席に取り入れ、ゆがんだ蜜蜂の巣のひとつひとつの箱に座席がある形状になっている。音響に問題がない、という解説だ。もし音響がよいのであれば、従来のホールにどうしても生じる、客席によって見やすい、見にくいといった差が大幅になくなるかもしれない。(隈本人の解説による)。ワインヤードや、シューボックスタイプのホールがさらに展開をみたといえるかもしれない。

ただしこの構造が維持しやすいのか(維持費)、このホールの演出がほかのホールに使えるのか、5階まであるこの高さはヒューマンスケールに合うのかといった問題は小さいことかもしれない。下記の本にも画像、図面、コンセプトの記載がある。

Studies in Organic Kengo Kuma & Associates―スタディーズ・イン・オーガニック
TOTO出版
隈研吾建築都市設計事務所


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また現在、ギャラリー間でこの模型を含む隈作品を身近に見ることが出来る。12月中旬まで。
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex091015/index.htm


DNAを生物の定義とみなす、いわゆるセントラルドグマを中心にした生物概念が一方にある。しかし、生物の定義を大幅に拡張し、「情報の出入りがある境界」としてみれば、生物は熱力学など情報理論の対象になり、また生物と建築は事実上同じものになる。ドアや窓は、情報トラフィックのポートだ。細胞壁やファイアー・ウォールは、建物の壁なのだ。
衣食住という言葉があるけれども、これも着るものも、食事も、住まいも、情報の出入り口をどのように考えるか、という視点で捉えれば、実質同じものになる。






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