謝罪のポリティックス Politics of Apology

「歴史」が世界各地で復活しています。歴史の見直しは往々にして国家主義と結びつき、独立運動と独立運動への抑圧という形で進みます。


たとえばコソボKosovoの独立とそれを抑えようとするセルビアという図式がもっともいい例でしょう。

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コソボ側をアメリカやイギリス、ドイツいちはやく承認し、支援

反コソボ側にはロシアや中国、セルビアを支援。
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もちろんそんなアメリカなどの国家も、自国により関係がある地域では独立は承認せず、むしろ反独立運動をさんざんサポートし、場合によってはCIAも送っていたのです。


国際政治は、黒白とか、キレイごとが重要ですが、それ意外のファクターを見落とさないことではないでしょうか。裏面もあるし、二枚舌、三枚舌、と外交もいろいろ手練手管がある。

つまり、あくまで正義や大義で世界は動く、しかし、見えない正義や見えない大義もある、ということでしょう。

そういった自治や、政治的権力を握ろうとする運動move-mentのなかで、過去も書き換えられます。
それが、過去を悔い、過去を否定し、謝罪する、という「自己正当化」と「自分の悪を認める政治」でしょう。

ドイツの例はよく知られているので、UKやEUをまず扱います。



(1)UK,EU

昨年2007年に、EUは奴隷貿易に対して「道徳的な観点から」正式に謝罪apologizeしています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/1530949.stm

http://amistad.mysticseaport.org/timeline/atlantic.slave.trade.html
上記は奴隷貿易をめぐる時間的な記述です。

謝罪はしていますが、経済的な保証をどうする、ということは話題にはいまのところなっていない。


(2)オーストラリア

オーストラリアが先月(1月)に、大臣がアボリジニに対して謝罪しました。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7216873.stm
20世紀に、オーストラリアに固有の民族であるアボリジニの子どもたちの強制的な連行についての謝罪です。上記と同じくBBCからです。

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2008/02/13/waus113.xml
これはテレグラフ紙の電子版より。




こういった「謝罪」を考えると、たとえばアメリカ政府は、アジア太平洋戦争中の日系人収容所
に対して謝り、また経済的保証もした。

ではそのアメリカは「インディアン」に対しての謝罪はしていないけれど、居留地resavationを作り、生活は保障している。
(そのことで「インディアン固有の文化」は破壊され、失業率は50%の街に住むことになってしまいました。しかしこれはまた別の話)


日本政府は、このテーマの専門家に訊いたところ、アジアに謝罪はしているのだそうです。もちろん「ごめんなさい」というのにもいろいろな種類があるように、「全面的」かどうかは別にして、謝っている。戦後すぐからの歴代の総理の発言によると。

そしてODAにも、「微妙だが」とその専門家は付け加えていましたが、謝罪の意味も込められている、とのこと。

当時からすれば、一方から見れば「正当」であったことを、今度は現在から見れば、罪悪意外のなにものでもない。たとえば奴隷、とか奴隷貿易、現地人の虐殺。そういうことに対する倫理的な問いが、ぎりぎりのところで発せられているのは間違いないでしょう。

もちろんなんでもかんでも謝る必要はないし、謝罪は自己のプライド、矜持にも影響します。過去を否定しかねないからです。


そういう力関係のなかで、歴史はある。


その歴史とアイデンティティの構築のなかにおいて、独立運動もあるのです。チェチェン、チベット、ウイグル、バスク、フランドル、ケベック、オキナワ・・・

日本政府は将来、いつの日にかアイヌに対して謝罪するのでしょうか。琉球―オキナワに対して謝罪するのでしょうか。それともその必要はずっとないのでしょうか?


そして、そういった文化的な衝突のなかでさまざまな文化、文学、美術、音楽ができたこともあくまで副産物ですが、また事実でしょう。


音楽でいえば、ジャズ、スカ、レゲエ、ブルーズ、ロック、R&B、タンゴ、サンバ、ボサ・ノヴァといった音楽ジャンルはすべて奴隷貿易となんらかの形でかかわっています。日本ではそういう歴史性はほとんど意識されませんが。






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