【追悼】伊藤 清

伊藤清先生が先月亡くなった。といってもいわゆる有名人ではない。ところが学問的貢献はきわめて大きい人である。
http://www.nytimes.com/2008/11/24/business/24ito.html?_r=1&scp=1&sq=kiyoshi%20ito&st=cse

自分自身は、このニューヨークタイムスのオビチュアリーで知ったのだが、驚くべきことに日本語のマスコミはほとんど取り上げていない。肌寒くなった。それは風邪の前の悪寒ではない。


伊藤さんは、とにかく、「確率微分方程式」で有名である。この微分と確率という通常は相反するものを一本の式に入れ込んだ。それもとても美しい式に入れ込んだ。
(残念ながら、美しいことはわかるが、解けるかというとまた別問題である)。


どちらにせよ、最近読んでいるものにしばしば顔を出す式ではある。ランダムさを扱った経済や、気象、生物などの文献に出てくるのである。それで困っている。

伊藤先生(あえてこう呼ぶ)の業績は、第1回ガウス賞の受賞をもってその頂点を迎える。数学者は賞が欲しくて数学を研究しているはずもないが、しかし自分の仕事を評価されるのはイヤではないであろう(賞を嫌がる数学者というのもいる)。小説家が賞を目当てに書いても書けるものではないのと同じことだろう。

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/news/ito/gauss.html

http://www.mathunion.org/general/prizes/2006/
IMUによるフィールズ賞は40歳未満に与えられる。ポアンカレ予想を「解いた」ペレルマンが賞を辞退した年。


いつかこの本にきちんととりかかりたいと思う。

確率論 (岩波基礎数学選書)
岩波書店
伊藤 清


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日本語のマスメディアとして、数学や物理や生物、経済がここまで接近していて、研究のやりがいがある分野であることを小中高校生にアピールするには絶好の機会ではないか。それとも伊藤先生の死去の意味がわからないのだろうか。だったら専門家に訊けばいいだけのことだろうと思う。




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