ミニマル・ミニマ、小学生のためのミニマル講座。Minimal Music、Minima

もし子どもに、たとえば小学生にミニマル・ミュージックを紹介するとしたら、どうしたらいいでしょうか?

ここでは、歴史的に流れを追うことはせずに、代表的とされる作曲家のものを紹介していこうと思います。



スティーヴ・ライヒの『ディファレント・トレインズ』の一部分です。

このように、単純な音のフレーズを反復してゆくのがミニマルミュージックの特徴です。汽車の音や、人の声を音形にして、それを弦楽器でなぞっているのがこの曲。

汽車の隠喩としての音楽ですし、移民としてアメリカに住み始めたライヒの体験の反映でもあるのでしょう。子どもにとっては楽しく思われるかもしれません。



スティーヴ・ライヒの代表的な曲のひとつ、『18人の音楽家のための音楽』。見事なまでに変化がほとんど起きません。コード進行(のようなもの)はあります。

これは、生、ライヴで聴くととくに中毒性があります。同じハーモニーを演奏しているだけなのに、聴き手には違う音が倍音で聴こえてきます。
実際に、ミニマルミュージックは音の広がりの中で、聞くととくにおもしろいのです。ここでは4分過ぎから、展開が変わります。

いったん演奏しようとするとお分かりでしょうが、きわめて高度な演奏技術が必要になります。タイミングがちょっとズレたら、全体が台無しになりますから。そして延々反復する、というのには人はそれほど馴れていません。
久しぶりに聞きましたが、この曲、とくにいいですね!!


どんな音の構造になっているか、よくわかるアニメーションがありました。


3、2、1、2(間にそれぞれ休符が入ります)という音形の相をずらしてゆくことで、違ったリズムが生まれているように聴こえます。その上強弱の違いが出てきます。



テリー・ライリーを聴いてみましょうか。



なんだよ、これは?と思われるかもしれませんが、自分も同感です。反復がもたらす陶酔感が、聴き手にはもたらされる、かもしれません。
あるいはただただ飽きてしまうか。これは1968年の作品。尖っているといえばひたすら尖ってます。

メロディーやハーモニーで音楽が出来上がっているのではない。一方で、リズムや拍感はしっかり。主音と属音、ドミナントとサブドミナントといった関係のなかで、緊張と弛緩を生む、という方法は取りません。

これがコンテンポラリー・ミュージックとか現代音楽と呼ばれている音楽の内の1つのジャンル、ミニマル・ミュージック。


あれ、これに、ドラムビート、クリック音が加われば、テクノやエレクトロではないか?と直感した人はいますか? だとしたらそれはまったくその通りなのです。


例:

ベルリン出身のグループ、タンジェリン・ドリーム。1960年代後半に結成。リーダーは、ダリとの共演などもあった人。



これはもうどこから聴いても、エレクトロです。ただちょっと踊りにくい。1975年付近の映像かと思われます。

もうテクノまでは実質的にあと一歩"pas"です。
クラフトワーク。これはデュッセルドルフ発信。YMOにも絶大な影響を与え、また後にYMOから影響を受けています。



このヴィデオは怖いですね。でもそれだけこのグループの傾向は出ていると言えます。機械的で、打楽器的。反復。






70年代後半から、80年代初頭にはこのように大きな動きがありました――というよりも、それはまだ続いていると言い切ることも可能でしょう。

1982年に『トロン』という映画が撮られました。それは人間が、コンピュータという外部記憶装置を生んだことから発しているサイバーワールドに関するものです。最近、その続編が撮られましたね。

人のマシーン的な要素を拡大したのが、ミニマル・ミュージックやテクノであるとするならば、この考え方は映画やメディアアートにも波及しました。またSFでサイバー・パンクというジャンルが出来たのもこのころ。ジャズでいうサイバー・パンクはもう少し後ですが、上記の流れです。


『トロン』(1982)の予告編です。音楽にも注意。



ここから、現代2011年は、直通回線のようなものなのです。



【参考】

もちろん、ミニマルな作曲家はまだまだいます。ジョン・アダムス、マイケル・ナイマン、フィリップ・グラス、伊福部昭(の一部)、ギャビン・ブライヤース、ブライアン・イーノなど。

スティーヴ・ライヒのウェブ:
http://www.stevereich.com/

テリー・ライリーのウェブ :
http://terryriley.net/

タンジェリン・ドリーム。こちらも上記に劣らずアヤシげなデザイン :
http://www.tangerinedream.org/

クラフトワーク。これも凄い :
http://www.kraftwerk.com/

(以上)




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この記事へのコメント

長谷川まさしです
2011年01月21日 23:37
HL小論文をうけてた長谷川です。
質問があるのでコメントしました!

以前、痕跡・セレンディピティー・京都
の所を授業で習いました。
 
そのときの多神教と一神教の部分で疑問が浮かんだので
答えてもらいたいです。
よろしくお願いします。
田中 公一朗
2011年01月23日 00:01
ご無沙汰です。

もしよければ、トップページのアドレスまでご連絡ください。
ただ小生でわかることかどうか自信はありませんが。

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